漁業法および水産流通適正化法の改正(令和6年法律第66号)が2026年4月1日に施行された。太平洋クロマグロの漁獲量不正報告事件を契機に立案された本改正は、太平洋クロマグロの大型魚(30kg以上、解体前)を取り扱う事業者への新たな義務を定めたものであり、水産業以外の一般的な中小企業への影響はない。
具体的な変更内容
漁業法に「特別管理特定水産資源」という新たな概念が創設された。個体の経済的価値が高く、国際的な枠組みにより厳格な漁獲量管理が必要と認められる水産資源を指し、現時点では太平洋クロマグロの大型魚(30kg以上)が指定されている。
採捕事業者(漁業者)は、採捕した個体の数・漁獲量等を農林水産大臣または都道府県知事に報告する義務を負う。また漁船の操業位置を把握するための機器設置命令に違反した場合の罰則が新設された。
水産流通適正化法においては、従来のアワビ・ナマコ・シラスウナギに加え、太平洋クロマグロの大型魚(30kg以上)かつ解体前のもの(生鮮・冷蔵のラウンド、えらはら抜き(GG)、ドレス)が新たに規制対象に追加された。
対象事業者の範囲
対象は**太平洋クロマグロの大型魚(30kg以上、解体前)**を取り扱う以下の事業者に限られる。
- 採捕事業者(クロマグロ漁業者)
- 養殖業者(太平洋クロマグロ)
- 流通事業者(産地市場・卸売・仲卸・加工業者)
- 輸入・輸出事業者
解体後の商品(切り身・刺身等)のみを取り扱う小売業者・飲食店は対象外。一般製造業・サービス業等の中小企業は影響を受けない。
対応期限
施行日(2026年4月1日)までに以下の対応が必要だった。
流通事業者・輸出業者は農林水産省共通申請サービス(eMAFF)でのオンライン届出または書面申請が必要。ただしアワビ・ナマコ・シラスウナギで既に届出済みの事業者は届出不要。取引ごとに船舶名・個体重量・陸揚げ日等の情報を取引先に伝達し、取引記録を3年間保存する義務がある。
まとめ
本改正はクロマグロ流通の透明性確保を目的とした水産業固有の規制強化であり、対象は太平洋クロマグロの大型魚を扱う漁業者・流通事業者に限定される。2026年4月1日施行のため、対象事業者は届出・情報伝達・記録保存の態勢整備が既に必要となっている。