法改正アラート
罰則あり 施行済み 2026年4月1日施行

建築基準法の附則改正と構造基準経過措置終了——建設・設計・不動産業が今すぐ確認すべきこと

建設業設計事務所不動産業建築士事務所

公開日: 2026年4月5日

最重要ポイント

何が変わったか

建築基準法の附則から保育教諭関連の参照条文が削除・整理された。また令和7年4月施行の構造基準改正(4号特例縮小・壁量計算見直し)の1年間経過措置が令和8年3月31日で終了し、全対象木造建築物に新基準が完全適用となった。

誰が影響を受けるか

建設業、設計事務所、不動産業、建築士事務所

何をすべきか

要対応(該当する場合): 14項目の確認事項あり

令和8年4月1日に建築基準法の附則が改正された。改正の中心は認定こども園法の整備に伴う技術的な条文整理であり、建築基準の実質的な内容は変わっていない。ただし同日は別の重要な節目でもある——令和7年4月1日から施行された構造基準改正(4号特例縮小・木造壁量計算見直し)の1年間経過措置が令和8年3月31日で終了した。建設業・設計事務所・不動産業に該当しない一般的な中小企業(製造・小売・ITなど)は追加対応不要だが、該当業種は即時の実務対応が必要だ。

具体的な変更内容

附則改正(条文整理)

幼保連携型認定こども園で働く「保育教諭」は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を原則として持つ職員だ。認定こども園法施行時(2015年)に設けられた「どちらか一方でも当面は認める」という経過措置に、建築基準法の附則が参照条文として絡んでいた。今回の改正はその参照条文を削除・整理するもので、建築基準(耐火性能・避難設備等)の内容自体は変わらない。

構造基準改正の経過措置終了

令和7年4月1日に全面施行された改正の主な内容は2点。

改正前改正後
構造図書省略可(旧4号特例)2階建て以下・延床500m²以下の木造2階建て以下・延床300m²以下(新3号)
構造図書の提出が新たに必要延床300〜500m²の木造(新2号)

壁量計算・柱の小径の算定方法も見直された。1年間の経過措置(旧基準での設計可)が令和8年3月31日で終了し、令和8年4月1日以降の申請はすべて新基準が適用される。

対象事業者の範囲

  • 建設業者・工務店: 木造住宅・店舗を手がける全業者。延床200〜500m²の案件で影響が大きい
  • 建築設計事務所: 新2号建築物の構造関係図書提出が義務化され、設計工数が増加する
  • 不動産業者: 既存不適格物件の重要事項説明内容を再確認する必要がある
  • 認定こども園・保育施設の設計・建設業者: 認定こども園法との整合確認が必要
  • 一般中小企業(上記以外): 追加対応不要

対応期限とスケジュール

日付内容
令和7年4月1日構造基準改正・4号特例縮小が全面施行(1年間の経過措置開始)
令和8年3月31日経過措置が終了
令和8年4月1日〜全対象木造建築物に新構造基準が完全適用。附則の保育教諭条文整理も施行

想定されるコストと負担

対応内容コスト目安
構造図書の作成(新2号案件)設計費が従来比10〜30%増
壁量計算ツールの導入日本住宅・木材技術センターの無料ツールあり
確認申請審査の長期化工程余裕を確保(追加費用なし)
スタッフ研修セミナー参加費1〜3万円程度
既存不適格物件の建物調査(不動産業)建築士への依頼で5〜15万円程度

対応チェックリスト

全業種共通(まず確認)

□ 自社が建設業・設計事務所・不動産業・保育施設運営のいずれかに該当するか確認する □ 直近1〜2年以内に木造建築物の設計・建設・販売・賃貸の案件があるか確認する □ 上記いずれも該当しない場合は現時点で追加対応不要

建設業者・工務店

□ 令和8年4月以降の着工案件を整理し、新2号・新3号の区分を確認する □ 新2号案件向けに構造関係図書の作成体制を整備する □ 壁量計算・柱の小径の新算定方法について社内研修を実施する □ 確認申請の審査期間延長を見越して工程を再確認する

建築設計事務所

□ 新2号建築物向けの確認申請図書作成フローを整備する □ 設計報酬の見積書に作業量増加分を反映して見直す □ 発注者への「費用・期間が変わる」旨の説明資料を準備する

不動産業者

□ 取扱物件に既存不適格建築物がないか確認する □ 重要事項説明書の記載内容を最新化する

認定こども園・保育施設

□ 保育教諭の両資格保有状況を確認する □ 建築基準法上の追加手続き不要を担当建築士と確認する

まとめ

今回の建築基準法附則改正は認定こども園法の整備に伴う技術的な条文整理であり、建築基準の実質的な内容は変わっていない。ただし令和8年4月1日は構造基準改正の経過措置が終了した重要な節目でもある。建設業者・設計事務所は新構造基準への完全移行を確認し、不動産業者は既存不適格物件の重要事項説明を見直してほしい。一般的な中小企業への追加対応は不要だ。

本記事は令和8年4月1日時点の情報に基づいています。確認申請等の具体的な実務については、国土交通省または一級建築士事務所にご確認ください。

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